8月 恵比寿「くろいわ」
先日8/22に行われた、日本酒応援団 究極の名店シリーズ 「恵比寿くろいわ」の模様です。
今回は大分「KUNISAKI」のパートナー酒蔵「萱島酒造」の杜氏(造りの最高責任者)の田原さんがきて下さいました。
萱島酒造は日本で初めて大吟醸酒を市販されたことで有名で全国有数の酒蔵です。熊本の鑑評会で最高賞二年連続、全国鑑評会で11年ぶりに入賞。
田原さんからのご挨拶で始まります。
萱島酒造の酒造りの哲学は「飲み続けたくなるお酒」ということで、まさにこのイベントにぴったり。
普段は出てこない、幻の「KUNISAKI純米大吟醸」も今回は登場しました。
今回のお料理は「晩夏(ばんか)の宝尽くし」。
暦の上で処暑(しょしょ)を過ぎた8月23日頃から9月1日頃にあたるこの時期は、少し体調が落ちたり、体力落ちたりします。
そのため、 一品を多く頂くよりも、色々なものを少しずつ沢山体に取り込む方が体が喜ぶそうです。
何が出てくるのか、とてもワクワクします。
<先付け> 力強いKUNISAKIと鮎の肝の苦み
枝豆、鮎、獅子唐、トマトなど、誰もが親しみのある食材を、イチジクの焼いた窯に閉じ込め、 ダダ茶とずんだでまとめてあります。
鮎の苦みにずんだの甘さがよく合います。
鮎の頭はせんべいの様に焼きパリパリの食感で楽しみます。
KUNISAKIの力強い味わいと合わせてほしいということで、苦みのある肝が少しかかっています。
<お椀> KUNISAKI純米大吟醸
今回も、黒岩さん特性、調味料0滴で仕上げたお出汁。
中には蒸し鮑(アワビ)と鮑の肝で練り上げクルミを入れた、鮑のお餅。そして神原きゅうりという白いきゅうりです。
体が疲れているという時期でもあるので、今回のお出汁は力強い出汁、またお酒も純米大吟醸を封切でしっかりいただきます。
お出汁とKUNISAKIを一口半づつ交互に飲み、行きと帰りの味わいの違いを楽しみます。
そして次に、純米大吟醸の封切一か月。
少し肩が落ちて優しい味わいになっているので、お出汁の余韻で十分にペアリングが成立します。
「やっぱりいいお酒を作っていただけるので、多少の無茶をしても、ちゃんと楽しんで頂けるんですよ。それは本当にありがたいです」 と黒岩さん。
<焼き物> 白鱚とNOTO
白鱚の一本揚げと言い、鱚を開きではなく、寸でいただきます。
真ん中に一本あるのがバチコと言い、石川県の海鼠腸(このわた)の卵巣を干したものです。
手でホクホク食べる加減を楽しみます。参加者の緊張感も少しずつほぐれていきます。
<向付> 石鯛の昆布締めとウニの燻製、NAGAOKAと共に
皿の中に、まるでお魚が泳いでるようなお料理です。
昆布で締めた石鯛、ウニの燻製、そしてのどぐろの焼き霜造り。 右手のガラスの器は炒り酒と言い、日本で最古の調味料と言われるものです。
日本料理ではお刺身は醤油とわさびではなく、お酢や炒り酒で食べるのが基本スタイルになっています。
わさびを煎り酒に全部溶かして、その中でしゃぶしゃぶして食べます。
NAGAOKAは、封切と1か月をいただきました。
<お燗>夏の京鴨とKUNISAKI
KUNISAKI 別格純米をお燗で。
角が落ちて、じっくり飲みたいお酒に変わります。
火入れをして落ち着かせるわけではなくて、まだ中の酵母は生きています。
合わせるのは、程よく脂がのった夏の京鴨。 ゆずの香りを乗せた焼き方になっています。
黒い粒は「京都大徳寺納豆」。お味噌のような味がします。
次にKUNISAKIの純米大吟醸もぬる燗で合わせます。
こちらは別格純米よりある程度香りを残すために、鴨肉と同じ温度の35度くらいに合わせます。
<八寸> KAKEYA
今回の八寸は、ハスの池のイメージです。
蓮池に浮かぶハスの葉っぱは、お盆で神様とかご先祖様が帰ってきたときに座る葉っぱなので、基本的にはお盆とセットの器になり、夏の最後の氷の表現になります。
一緒にいただくのはKAKEYA。
八寸には、いろんな料理が盛り付けられていて、食べると口が疲れてしまうので、お酒は少し冷やしたり味わいが優しいものを合わせ、なるべく負担をかけないのがポイントです。
<炊き合わせ> 鱧・新物の山椒とKAMOGATA
新物の口の中でさらさらとける鱧。山椒とともにいただきます。
山椒の刺激がふわっと気持ちがいいです。
「 パワー、芯があるお酒は、最初だけでなく最後までおいしいんです」
<うな丼とKUNISAKI>
あえて皮を上に乗せたうな重です。
鰻と言ったら、白焼き、たれ焼き以外食べないですが、今回はお出汁で炊いています。
皮はパリッと焼かれた状態で、料理屋ならではの出汁の含まったうなぎです。
そして、10年連続うなぎを取った西の関。もちろん、うなぎと相性抜群です。
今回も、すてきなスペシャルゲスト・田原さんとともに、充実したひと時を過ごしました。
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